カニクイザルを全身麻酔下にCED法を行った。ACNU溶液には0.1MのGd-DTPAを混和し、リアルタイムにMRIによるモニタリングを行った。動物用MRIは東北大学施設内に設置された0.3T MRIを用いた。。投与後2ヶ月間、サルの神経学的変化、体重変化を経時的に記録した。結果としてカニクイザルにおける毒性はきわめて軽度であり、本法はヒトにおいても安全に実施が可能であると考えられた。また、ACNUの分布をGd-DTPAで代用しその分布を検討したが、ほぼその分布は一致しており、今後ACNUの脳内分布を評価する上でGd-DTPAが有用でああることが確認された。現在、ヒト再発膠芽腫においてACNU-CED法とTemozolomideの併用療法を開始しているが、現在まで明らかな脳内毒性を認めず、また有効な症例も認められることから今後発展の期待できる治療法と考えられた。
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