研究課題
先行研究の結果をもとに、初発悪性神経膠腫を対象としたホウ素化合物(Boronophenyl alanine : BPA)を用いた非開頭1回照射のプロトコールを作成し、筑波大学での倫理審査を経て、予定通り臨床研究を開始した。再発悪性神経膠腫、その他の悪性脳腫瘍についてもそれぞれプロトコールを作成し、臨床研究を開始した。初発神経膠腫例では、初めてメチオニンPETからBPAの腫瘍内取り込みを推定し、治療を行った。以後もテモゾロミド投与を併用するプロトコールで、経過観察を行った。照射後、有害事象としては、グレード2の皮膚反応が見られた。本患者は治療をおこなった領域では腫瘍増殖抑制効果を保持していたが、他部位に播種を呈し、治療後1年7か月で死亡した。再発症例におけるプロトコールのもとで、膠芽腫1例、悪性髄膜腫1例の治療を行った。いずれの治療例も治療後1年半以上経過し、再増大・再発なく腫瘍のコントロールは良好である。震災以後、治療に用いる原子炉が停止、再稼働の見込みは未定でありため、やむを得ず、臨床研究を継続することは困難であるとして、患者登録は一旦中止とした。PET検査については、悪性グリオーマや、そのほか頭頸部癌などで、ホウ素中性子捕捉療法の治療前検査として質的診断として不可欠であるとともに病状の経過観察、質的診断のためのアミノ酸PETの有用性がさまざまに検討された。
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