研究課題/領域番号 |
20390382
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
高木 康志 京都大学, 医学研究科, 非常勤講師 (40312227)
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研究分担者 |
高橋 淳 京都大学, 再生医科学研究所, 准教授 (10270779)
林 拓也 理化学研究所, 分子イメージング科学研究センター, 研究員 (50372115)
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キーワード | 脳血管障害学 / 神経幹細胞移植 / 胚性幹細胞 / 脳梗塞 / 骨髄間質細胞 |
研究概要 |
脳血管疾患は厚生労働省の人口動態統計における国民年間死亡原因の第3位を長年占めている。しかも、厚生労働省の介護給付費実態調査によると要介護の原因となった疾患の内約3割が脳血管疾患であり、特に男性においてはその割合は4割以上と報告されている。脳梗塞に対する再生医療の試みとしては、内因性神経新生を亢進させる方法と細胞移植の二つに大別されるが、内因性神経新生は非常に数が少なく、たとえ亢進できたにしても機能回復をもたらすのには十分でないと考えられる。そこで、脳梗塞後の機能回復のためには細胞移植を行う必要がある。細胞移植による神経再生については、1990年代末から2000年前後にかけて、胚性幹細胞(embryonic stem cell, ES cell)や骨髄間質細胞がneuronに分化する方法や可能性が報告され、飛躍的に研究が進歩した。これらES細胞由来神経幹細胞、骨髄間質細胞由来神経幹細胞を用いた脳虚血に対する移植の問題点を解決し、いち早い臨床応用を目指す研究とする。本年度は脳虚血後の血管透過性を左右するmatrix metalloproteinaseの役割を解明するためにその生体内の阻害物質であるtissue inhibitor of metalloproteinase (TIMP)の脳虚血時における役割をそのknockout mouseを用いて行った。その結果、脳虚血後再潅流における血管透過性亢進と神経細胞死にはTIPM-1が強く関わっていることが示されJCBF&M誌に掲載された。
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