研究課題
基盤研究(B)
本研究の達成目標はES細胞移植臨床応用のためにホスト脳環境を至適化することにあり、以下のような目標を定めた。(1)IL-6シグナルがES細胞由来神経幹細胞の分化に与える影響を明らかにする。(2)抗原抗体反応の側副経路を修飾することにより、ホストの免疫寛容状態を誘導する。(3)慢性炎症が移植細胞に与える影響を明らかにする。マウスES細胞由来神経幹細胞の脳内移植時において、抗IL-6受容体抗体の局所同時投与(1)やCTLA-4Igの全身投与(2)によって炎症反応が抑制され移植細胞の神経分化が促進されることを明らかにした。また、低用量テルミサルタン投与によってマウス慢性脳低灌流モデルにおける脳組織障害が軽減されることを明らかにした(3)。これらの成果は、幹細胞移植治療において移植細胞の性質のみならずホスト脳の環境も移植細胞の生着や分化に重要な働きをしていることを意味し、今後の細胞移植治療の発展に寄与するものと考えられる。
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J Neurosci Res (in press)
Stroke. 2010 41
ページ: 1798-1806