研究課題/領域番号 |
20390384
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
泉本 修一 兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (40324769)
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研究分担者 |
坪井 昭博 大阪大学, 医学系研究科, 寄附講座准教授 (10372608)
橋本 直哉 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (90315945)
木下 学 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (40448064)
森 鑑二 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (50360269)
友金 祐介 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (10412008)
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キーワード | 悪性グリオーマ / 膠芽腫 / WT1 / 免疫療法 / がんワクチン療法 |
研究概要 |
集学的治療のひとつとしてWT1免疫療法を行う妥当性、安全性および相乗効果を、治療前後の細胞性免疫反応を中心として以下の機能解析を行った。(1)悪性グリオーマ患者未治療時およびWT1単独免疫療法時のWT1特異的免疫反応をキラーT細胞の誘導をみることで解析した。その結果、悪性グリオーマ患者では未治療時にすでに血中WT1特異的キラーT細胞分画は健常人に比して増加しており、治療前から腫瘍細胞表面抗原であるWT1タンパクが認識され感作されていることが明らかになった。それはWT1発現再発乳癌患者に比べても増加していた。悪性グリオーマでのWT1ワクチン療法中において、時間経過あるいは治療有効群と無効群とでWT1特異的キラーT細胞の分画割合の数的変化はなかった。(2)WT1特異的CTL分画の動態解析を行う目的で細胞をCD27/CD45RAで2重染色し、FACS解析によりナイーブT細胞の表現形であるCD27^+CD45RA^+の比率を求めた。さらに同様の解析によりナイーブ細胞分画、エフェクター細胞分画の比率を求めた。その結果、WT1免疫治療による反応良好群ではWT1特異的T細胞のうち、ナイーブ分画からエフェクター分画へ増加がみられた。(3)悪性グリオーマに特異的な抑制性T細胞(Treg)の免疫療法前後の動態をみる目的でCD4/CD25の2重染色を行い、FACS解析によりCD4^+T細胞に占めるTreg細胞の割合を求めた。その結果、TMZ治療によりTregの数的増加はみられないが、T細胞の中でのTreg分画の増加がみられた。さらにWT1免疫治療中、過去の化学療法治療やステロイド投与によるWT1特異的キラーT細胞分画への影響はみられなかった(第9回日本分子脳神経外科学会発表)
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