研究概要 |
中枢神経系原発悪性リンパ腫(PCNSL)腫瘍細胞からRNA,DNAを抽出し、GeneChip, SNP アレイ、miRNA解析を行った。特にPCNSL34症例のGeneChip解析(遺伝子発現解析)から患者の予後と相関する遺伝子21種類を統計学的方法を用いて選択し、それらの遺伝子の発現レベルから患者の予後式を考案した。さらに、これらの中から3種類の遺伝子産物に対する抗体を用いた免疫組織学的解析と年齢、KPSを用いて予後が良く予測できることが判明した。SNP アレイ、miRNA解析については各29例、30例の解析が終了し、統計解析中である。今後、mRNA,SNPアレイ,miRNA解析から統合的に遺伝子解析を検討し、腫瘍の生物学的な特徴をパスウエイ解析を含めて検討の上、標的分子を絞り込み、創薬に向けた研究を進める予定である。この方法の開発により、予後不良症例群を選択して、より積極的な治療を行うことが可能となり、PCNSL患者の予後の改善が期待できる。
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