研究計画を遂行し以下の結果を得た。 1)酵母ツーハイブリッド法の条件設定が難しいので、HCR複合体を精製し、この構成因子を質量分析計により解析するため、TAPタグ付きHCRを恒常的に発現するRaw細胞を作成した。 2)HCRのN末端側21残基とC末端側41残基に相当するオリゴペプチド(Nペプチド、Cペプチド)をそれぞれ発現させて同様に検討したところ、どちらを発現させてもNF-κB/MAPKsの活性化とNFATc1の発現誘導が顕著に抑制され、形成される破骨細胞数が減少したため、両方のオリゴペプチドに分化抑制能が有ることが示唆された 3)平成21年12月.RANK受容体が刺激後24時間以降に細胞内へ移行し破骨細胞誘導シグナルを誘起する可能性が判明したので、それを検証するため免疫染色法等を用いて再評価する必要が生じた。この発見は受容体が細胞内局在を変化させることで新たな細胞分化シグナルを誘起することを示す点で破骨細胞形成特異的シグナルの分子機構の解明を目的とする本研究の成果を飛躍的に発展させる可能性があるので本科研費の一部を繰越した。その結果、免疫染色方および蛍光標識した受容体を用いて刺激後24時間でRANK受容体がエンドゾームに移行することが明らかになり、細胞内取り込み後の複合体形成に解析系の確立が進んだ。 4)骨吸収抑制剤のスクリーニング系についてはNF-kBの制御下で蛍光タンパク質を発現するレポーターをRaw細胞に発現させ、条件検討を継続している
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