研究概要 |
蛍光をつかった生体内の癌イメージングを以下のテーマにわけ,研究した。 1. 蛍光抗体を使った生体内の腫癌のイメージング.骨代謝に関連するアルカゾスォスファターゼの抗体や細胞分裂の高い細胞に発現するKi-67抗体を用いることで、骨肉腫を蛍光標識されることがわかった。蛍光色は、一般にGFP(緑)が広く使われるが、直視下での観察の際は自家蛍光による正常組織の蛍光の問題があり、最適な波長のものを選択する必要があった。赤色または、赤外線を使用することで自家蛍光の問題は解消され、観察が可能とかんがえたであった。 2. 骨軟部腫癌のマーカーの検索。当院で手術を行った骨肉腫患者の免疫染色の結果でKi-67抗体は悪性度が強い症例で陽性度が高く、また、ALPやVimentinもマーカーとして有用と考えられた。 3. マウス肺転移モデルでのリアルタイムイメージング。マウス挿管モデルにより、肺転移の観察を経時的に観療可能となった。尾静脈から蛍光標識した腫瘍細胞を注射し、開胸して直視下に観察すると、トラップされた細胞が観察可能である。これを繰り返し観察することで、同一個体で経時的な腫瘍の転移が観察された。肺、肝臓、筋肉内のトラップされた腫瘍を継時的に観察し、それぞれ細胞の生存の特徴が観察きれた。肺の細胞は、多臓器に比べ速やかに消失し、.かっ免疫不全マウスと正常免疫マスでの差は認められず、転移早期には免疫細胞の関与は少ないと考えた。 4. 液体窒素処理腫瘍の免疫増強反応。液体窒素処理を行った腫瘍による免疫活性作用を研究しているが、さらにその作用を増強する方法にとりくんだ。腫瘍抗原の認識を高めるため、樹状細胞の培養を行い、抗腫瘍効果の増強を確認した。樹状細胞は単球から成熟させるが、OK432を用いることで効率よく分化を誘導することができた。
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