研究課題
力学的負荷のかかる荷重部の骨再生方法を開発するため、気泡ゲル化法を応用し、内部は多孔体(10MPa)、外郭は緻密体(500MPa)の多孔体・緻密体コンポジット人工骨を開発した。犬脊椎における胸椎椎体摘出し、欠損部に対し、本人工骨を移植し、プレート固定を行った。術後6ヶ月でX線、CT画像による画像評価、力学的評価、組織学的評価を行った。画像評価において、上下椎体との良好な骨癒合を認めた。組織学的には、上下の多孔体部分より、豊富な血管の侵入、骨の再生を認めたが、側面の緻密体部分からは、血管や骨細胞の侵入は認めなかった。圧縮強度は、700MPaを獲得し、荷重部にも対応できることが明らかとなった。本コンポジット人工骨に骨形成蛋白(OP-1)10-100μgを含浸させ、脊椎固定を施行し、対照群と比較し、有意な骨再生の促進を認めた。骨再生に最適の人工骨内部構造を明らかにするため、材質、ミクロ気孔の異なる高気孔率連通多孔体人工骨3種(ハイドロキシアパタイト製ミクロ気孔あり、ハイドロキシアパタイト製ミクロ気孔なし、β-TCP製ミクロ気孔あり)を用いて、ウサギ大腿骨での骨再生、圧縮強度、材料吸収を検討した。力学的強度は全ての材料で移植後数週間、低下したが、ハイドロキシアパタイト製の2種では、その後回復し、10MPa以上の強度を維持した。ミクロ気孔を有する人工骨2種では、材質に関わらず、血管の侵入、破骨細胞の出現を早期に認め、相対的に早い気孔内骨侵入、血管新生、生体内での人工骨吸収を認めた。
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