研究課題
人工骨内での再生骨の吸収阻害薬の開発のため、NF-κBデコイのサイズダウン、ライゲーション方法の検討、結合能力の検討などを加えデコイの最適化を行い核酸分解酵素等による分解を受けにくい形のリボン型デコイなどの開発を行った。作成したリボン型NF-κBデコイを人工骨の気孔内表面にコーティングし、ラット脛骨内に埋植した。液性担体としては、PLA、PEG合成ポリマー、ポリリン酸を使用した。移植後4週で、リボン型デコイをコーティングした人工骨内に旺盛な骨形成を認め、移植後8週で骨吸収抑制効果を認めた。液性担体の検討では、ポリリン酸を用いた場合に骨再生量が最も多かった。骨形成蛋白の担体は、欧米ではウシコラーゲンが広く用いられており、病原伝搬の可能性のため本邦での薬事認可が困難である。臨床応用を目指し、骨形成蛋白OP-1の新たな担体として、非動物由来マテリアルのスクリーニングを行った。コラーゲン、Ca架橋アルギン酸、共有結合架橋アルギン酸にOP-1(3-30μg)、PLA-PEGを含浸させ、マウス皮下に移植した。3週後の異所性骨形成をX線、骨塩定量、ALP活性、組織学的評価を行った。3μgで骨形成を示したのは、コラーゲン、Ca架橋アルギン酸のみであり、Ca架橋アルギン酸は、コラーゲンと同等以上の骨形成量、骨密度を示した。Ca架橋アルギン酸は、非動物由来であり、低用量のOP-1でも、骨形成に有効な担体であることを明らかにした。
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