研究概要 |
DNA構造異常とエピジェネティクスを検討し、RNA・タンパク発現レベルとの相関を解析することで、骨肉腫の発生部位・病理組織学的な違いおよび臨床経過に影響を及ぼす因子について明らかにすることを目的とする。 (1)DNA一次構造異常の検出:アレイCGH (2)エビジェネティックな変化による遺伝子発現制御の検出:ChIPアレイCGH (3)(1)、(2)から検出された遺伝子の解析:定量RT-PCR、Methylation speciffic PCR (MSP) (4)骨肉腫細胞株へ遺伝子導入: in vitro electroporation (5)ヌードマウスを用いた骨肉腫移植モデルの遺伝子導入: in vivo electroporation (1)当施設にて治療を行い、患者の同意の元に採取し凍結保存した骨肉腫症例を用いた。凍結組織からゲノムDNAを抽出し、GenomiPhi DNA Amplification Kit(GE Heal thcare)を用いてゲノムDNAを増幅後、酵素処理を行い、標識反応は4μgの増幅DNAを使用し、Cy3-dCTP/Cy5-dCTPとBioPrime[○!R]labeing kit (Invitrogcn)を用いて行った。標識したDNAをAgilent社製Human Genome CGHマイクロアレイにハイブリダイズさせ、Agilent DNA Microarray Scannerで取り込み後、Feature Extraction Softwareを用いて数値化した。Log ratio+/-2.0以上をgain、lossとし、Pvalue logratio<0.05の領域について検討を行った。 現在、両腫瘍間に差のあった領域のターゲット遺伝子について解析を進めている。アレイCGHで得られた結果から、遺伝子ごとにその変異の有無と組織学的亜型、悪性度、予後等を、腫瘍ごとに検討する。 来年度は、マイクロアレイCGHで同定された遺伝子について定量PCRを行い、遺伝子発現の確認を行う。またCh IP-CGHアレイを行い、転写因子の結合、DNAメチル化、ヒストン修飾の検出、新規転写領域の同定や転写因子の結合配列検出する。Ch IPアレイとアレイCGHを解析し、定量RT-PCR,Methylation specific PCRを行い、骨肉腫細胞の増殖、腫瘍化に関与の可能性のある遺伝子を同定する。
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