研究課題/領域番号 |
20390402
|
研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
吉岡 秀克 大分大学, 医学部, 教授 (00222430)
|
研究分担者 |
松尾 哲孝 大分大学, 医学部, 准教授 (10284788)
住吉 秀明 大分大学, 医学部, 助教 (60343357)
浜中 良志 大分大学, 医学部, 助教 (60274750)
二宮 善文 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (70126241)
|
キーワード | コラーゲン / 遺伝子発現 / 骨 / 軟骨 / 筋 / 歯牙 / 細胞外マトリックス / 転写調節機構 |
研究概要 |
間葉系幹細胞より骨芽細胞、軟骨細胞、脂肪細胞、筋芽細胞、線維芽細胞が分化する。 分化後、これらの細胞はコラーゲン分子を産生するようになる。その中で、私たちは組織に比較的微量に存在するV/XI型コラーゲンの遺伝子発現及び機能に関する研究を行っている。平成21年度は以下の2点について主な結果を得た。 1) V型コラーゲンα3鎖(α3(V))遺伝子の転写調節:平成20年度の研究により、この遺伝子の近位プロモーター領域に転写因子であるSp1/3及びCBF/NF-Yが結合することを認めた。本年度は骨芽細胞を用い、Sp1結合部位に同ファミリーメンバーであるSp7/Osterixの関与について調べた。Sp7/Osterixは骨芽細胞に特異的に発現する転写因子である。その結果、Sp7/OsterixはSp1結合部位に結合し、Sp1よりもV型コラーゲンα3鎖遺伝子の転写活性を増加させた。また、V型コラーゲンα3鎖遺伝子の転写はSp7/Osterixに特異的なRNAiで25%程度抑制することができた。また、前骨芽細胞を骨芽細胞に分化させると成熟するにつれ、Sp7/Osterixの発現が増加し、それに比例して、V型コラーゲンα3鎖遺伝子の転写活性が増加した。 2) XI型コラーゲンα2鎖(α2(XI))遺伝子発現:従来、この遺伝子は軟骨に発現することが知られているが、私たちは歯牙組織で発現していることを以前見出した。本年度は歯根部及び歯冠部における転写産物をα1(XI)鎖、α1(V)鎖、α2(V)鎖遺伝子の転写産物とreal time RT-PCR法を用いて定量的に比較した。その結果、α2(XI)鎖遺伝子の発現量は歯冠部に多く、歯根部に少なく、α1(V)鎖、α2(V)鎖遺伝子と類似していた。一方、α1(XI)鎖遺伝子は歯根部に多く、歯冠部に少なく、両遺伝子の発現が異なることが示された。
|