研究概要 |
I.滑膜肉腫のペプチドワクチン療法の第1相臨床試験 SYT-SSXペプチドワクチン(1mg/body)+インターフェロンαの併用投与プロトコールを進行期滑膜肉腫6例に実施した.39℃台の発熱以外に重篤な副作用は認められなかった.抗腫瘍効果は3例がPD(progressive disease)であったが,3例がSD(stable disease)であった.すなわち6例中3例に抗瞳瘍効果が認められた. II.骨肉腫のペプチドワクチン療法の第1相臨床試験 1)Papillomavirus binding factor(PBF)蛋白より、HLA-A24またはA2に結合モチーフを持つ抗原ペプチドを決定した。MHC-ペプチドテトラマーを用いて,ワクチン接種を行っていない骨肉腫患者におけるテトラマー陽性細胞の存在頻度を解析した.その結果,PBF-A2ペプチド特異的CTLはHLA-A2陽性骨肉腫3/5例で検出された.In vitro抗原刺激によって得られたCTL lineはHLA-A2陽性PBF陽性の他家骨肉腫細胞株および自家骨肉腫細胞を殺傷した. 2)上記を根拠としてPBF-A2ペプチドを単独で投与する第1相臨床試験を開始した.現在,1名の患者にワクチンを接種している.安全性,抗腫瘍効果,免疫応答を詳細に解析する予定である. III.骨軟部肉腫の癌幹細胞の分離と癌幹細胞抗原の同定 我々が樹立したヒト骨MFHの細胞株よりside population法により癌幹細胞を分離した.分離した細胞は.無血性培地で細胞塊を形成した.1000個の細胞をSCIDマウスに移植すると.腫瘍を形成した.
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