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2010 年度 実績報告書

アルコール及び脂肪摂取による骨・骨髄機能連関障害の解明と防止法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 20390406
研究機関産業医科大学

研究代表者

中村 利孝  産業医科大学, 医学部, 教授 (50082235)

キーワードアルコール / 脂肪 / アルデヒド脱水素酵素 / p21 / 細胞周期 / 卵巣摘出 / エストロゲ / 皮質骨
研究概要

アルコール及び脂肪摂取が骨代謝に与える影響を組織から分子のレベルで明らかにし、骨の障害に対する防止法を開発することを目的に研究を行っている。昨年までの研究で、アルコール負荷が骨髄細胞におけるp21遺伝子発現を増加し骨芽細胞の細胞周期を停止することにより骨芽細胞分化を障害することが明らかとなった。本年度は、アルデヒド脱水素酵素遺伝子欠損マウス及びその卵巣を摘出した(エストロゲン欠乏状態で脂質代謝障害がある)マウスを用いて実験を行った。その結果、卵巣摘出により脛骨二次海綿骨における骨代謝回転は亢進したが、アルコール負荷により骨形成と骨吸収はともに低下した。卵巣摘出による骨量減少はアルコール負荷によりさらに低下した。卵巣摘出したアルデヒド脱水素酵素遺伝子欠損マウスにアルコールを負荷すると、骨髄細胞におけるp21 mRNAの発現が増加した。卵巣摘出したアルデヒド脱水素酵素遺伝子欠損マウスは、アルコール負荷の有無に関係なく、海綿骨よりも皮質骨の構造と強度に強い影響を与えた。具体的には、pQCTの結果から、野生型マウスと比べて、脛骨中央での皮質骨面積と皮質骨横径が有意に小さかった。そこから算出される力学強度は有意に低下した。以上の結果から、エストロゲン欠乏状態のアルデヒド脱水素酵素遺伝子欠損マウスは、アルコール負荷に依存することなく、皮質骨の構造が劣化し強度が低下することがわかった。今後は、皮質骨外面における骨形成(骨膜性骨形成率)に関連する遺伝子(wnt/β-cateninシグナル、スクレロスチン、ペリオスチンなど)の発現を調べ、アルコール負荷や脂質代謝との関連を明らかにする予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Deficiency of vitamin A delays bone healing process in association with reduced BMP2 expression after drill-hole injury in mice2010

    • 著者名/発表者名
      Tanaka K, Sakai A, Nakamura T
    • 雑誌名

      Bone

      巻: 47 ページ: 1006-1012

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 生活習慣病を合併した骨粗鬆症に対するSERMの骨折抑制効果2010

    • 著者名/発表者名
      酒井昭典、中村利孝
    • 雑誌名

      Clinical Calcium

      巻: 20 ページ: 16-23

  • [雑誌論文] Shorter unipedal standing time and lower bone mineral density in women with distal radius fractures.2010

    • 著者名/発表者名
      Sakai A, Nakamura T, et al.
    • 雑誌名

      Osteoporos Int

      巻: 21 ページ: 733-739

    • 査読あり
  • [学会発表] アルコール負荷後のAldh2ノックアウトマウスでは、骨髄細胞がG2期で停止し、骨芽細胞の石灰化形成が抑制され骨形成が低下する2010

    • 著者名/発表者名
      清水勇樹、酒井昭典、中村利孝
    • 学会等名
      第25回日本整形外科学会基礎学術集会
    • 発表場所
      京都(国立京都国際会館)
    • 年月日
      2010-10-14

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公開日: 2012-07-19  

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