ApoE遺伝子欠損マウスに高脂肪食を摂取させた結果、脛骨ニ次海綿骨における骨形成率は低下し、海綿骨量は減少する。このマウスの血清過酸化脂質濃度と血清LDL濃度は高く、これらの値と骨芽細胞におけるp53遺伝子発現は有意な正の相関を示した。骨芽細胞のアポトーシスが生じ、骨芽細胞の分化・増殖に障害が生じることによって、骨形成が低下するメカニズムが考えられた。また、アルデヒド脱水素酵素遺伝子欠損マウスにアルコールを摂取させた結果、骨髄細胞におけるp21遺伝子の発現が亢進し、骨芽細胞の細胞周期が停止し、骨石灰化が障害され骨形成が低下することが明らかとなった。過剰なアルコール及び脂肪摂取により誘導された骨芽細胞の細胞周期停止やアポトーシスが骨芽細胞機能を障害するメカニズムを明らかにした。
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