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2009 年度 実績報告書

モルヒネ耐性の新たな分子機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 20390413
研究機関千葉大学

研究代表者

青江 知彦  千葉大学, 大学院・医学研究院, 准教授 (90311612)

キーワードオピオイド / 耐姓 / 小胞体 / シャペロン / muオピオイド受容体
研究概要

癌性疼痛やその他の慢性疼痛に対して、モルヒネは強力で有効な鎮痛薬である。しかし、連続使用により耐性が形成され、鎮痛効果が損なわれることが問題となる。モルヒネの耐性形成の機序については、様々なメカニズムが提唱されているが、不明な点も多い。本研究において我々は、モルヒネ耐性形成の新たな分子機序として、小胞体ストレス反応によるmuオピオイド受容体(MOR)細胞内情報伝達系の変化、を提唱し、これに基づいた臨床的なモルヒネ鎮痛法の改善策を検討した。
昨年度に引き続いて、小胞体ストレス反応およびmuオピオイド受容体(MOR)細胞内情報伝達機構の相互関連について検討し、特に、GSK3βの役割を明らかにした。マウスにモルヒネを連続投与し、モルヒネ耐性形成モデルを作成した。モルヒネの鎮痛効果は熱刺激を加えるホットプレイトテストで評価した。テスト後にマウスの脳、脊髄を摘出し、組織学的に、また、生化学的に、GSK3βなどの細胞内情報伝達分子やBipなどの分子シャペロンの発現を調べ、モルヒネの鎮痛効果との相関を検討した。さらに、小胞体ストレス反応とMOR細胞内情報伝達系との関連をin vivoで検討するために、変異BiPノックインマウスを用いて、モルヒネ耐性形成を検討した。BiPは小胞体ストレス反応を担う中心的な分子シャペロンであり、細胞にとって不可欠の分子である。変異BiPヘテロマウスではモルヒネ連続投与による耐性形成が抑制されていた。また、変異BiPノックインマウスではGSK3βの活性化が抑制されていた。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] BiP, an endoplasmic reticulum chaperone, modulates the development of morphine antinociceptive tolerance.2010

    • 著者名/発表者名
      DOBASHI T, TANABE S, JIN, H, MIMURA N, YAMAMOTO T, NISHINO T, AOE T
    • 雑誌名

      J Cellular Molecular Medicine (in press)(online2009)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 麻酔科医とタンパク質の一生、細胞のなかでの交通整理って?2010

    • 著者名/発表者名
      青江知彦
    • 雑誌名

      LISA 17

      ページ: 14-19

  • [雑誌論文] 麻酔と小胞体ストレス2009

    • 著者名/発表者名
      青江知彦
    • 雑誌名

      Anesthesia 21 Century 11

      ページ: 2121-2126

  • [雑誌論文] オピオイド耐性のメカニズム2009

    • 著者名/発表者名
      青江知彦
    • 雑誌名

      臨床麻酔 33

      ページ: 1273-1280

  • [学会発表] オピオイド鎮痛と耐性形成機序2009

    • 著者名/発表者名
      青江知彦
    • 学会等名
      第56回日本麻酔科学会,リフレシャーコース
    • 発表場所
      神戸
    • 年月日
      2009-08-18
  • [学会発表] モルヒネ耐性形成における小胞体ストレス反応の影響の検討2009

    • 著者名/発表者名
      土橋玉枝、田辺瀬良美、西野卓、青江知彦
    • 学会等名
      第56回日本麻酔科学会
    • 発表場所
      神戸
    • 年月日
      2009-08-17

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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