研究課題/領域番号 |
20390416
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
稲田 有史 京都大学, 再生医科学研究所, 非常勤講師 (90254515)
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研究分担者 |
中村 達雄 京都大学, 再生医科学研究所, 准教授 (70227908)
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キーワード | 人工神経 / 再生医工学 / 未梢神経 / 神経因性疼痛 / 神経管 / 神経誘導管 / 神経再生 / 星状神経節ブロック |
研究概要 |
これまで有効な治療法がないとされてきた外傷後の神経因性痔痛に対する新しい外科的治療法を開発し、あわせて痔痛の発症と治療する機序も解明した。 1.末梢における神経損傷がその神経の支配領域を越えて広がるCRPS-typeII特有の発症メカニズムを大型動物を使ったモデルで確かめた。 2.末梢神経損傷で起きた変化が、その局所を人工神経で再建して、神経が再生することによって中枢の変化が引き起こされるかどうか。もし起きるとすれば、どのような機序で起きるかを解明した。 3.現在臨床で効果を上げている人工神経に、さらに幹細胞や増殖因子を付加することにより、再生を加速できるかどうか調べた。そして早期の再生が得られた場合は、それにより神経因性疼痛に対する効果もさらに良くなるかどうか評価する準備にとりかかった。 具体的には、再生する末梢神経が中枢に及ぼす影響とそのメカニズムを解析した。脊髄神経節における活動電位の測定を試みた。軸索の再生の蛍光免疫染色による検討を行い、神経線維、特に痛みに関するC fiberの再生を詳細に評価した。併せて神経の活動電位の回復を開始した。 ビーグル犬のperoneal nerveの浅枝に微小電極を刺入して、single unit単位の感覚神経活動電位を記録できるシステムを作製した。再生神経が触覚、熱覚、機械刺戟に対してどのように反応するか、とりわけC線維の反応閾値の変化、後発射の状態などが本システムで検討可能になった。またマンシェット圧迫によりA線維を遮断した場合CNAPがどのように変化するか、交感神経ブロックにより再生神経の活動電位がどのような影響を受けるか、これは正常の神経の回復の各時期においてどう違うかなどを今後調べるための予備実験を行った。
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