研究課題/領域番号 |
20390417
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
萩平 哲 大阪大学, 医学部附属病院, 講師 (90243229)
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研究分担者 |
真下 節 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (10110785)
柴田 政彦 大阪大学, 医学系研究科, 寄附講座教授 (50216016)
高階 雅紀 大阪大学, 医学部附属病院, 講師 (30221352)
中江 文 大阪大学, 医学系研究科, 特任准教授(常勤) (60379170)
中井 國博 大阪大学, 医学系研究科, 寄附講座准教授 (80362705)
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キーワード | マイクロRNA / GABA受容体 / 培養細胞 / 神経因性痔痛モデル |
研究概要 |
昨年度までにGABA受容体α5サブユニット、β3サブユニットに作用し得るマイクロRNAのリストアップ作業を行い、各々のマイクロRNAが、実際に各サブユニットのどの部分に結合し得るかの予測配列をin silicoで解析した。本年度はその解析結果に基づき、実際に培養細胞上でルシフェラーゼアッセイを用いて、その結合の有無をそれぞれの受容体に対し数カ所にわたりマイクロRNAとその配列が結合し得ることを昨年に引き続き確認した。次のステップとして、その結合能が確認されたマイクロRNAが実際にGABA受容体α5サブユニット、β3サブユニットのタンパク発現を抑制し得るかについての実験系の確立を行った。神経系の培養細胞の中で、α5サブユニットが高発現しているセルラインを検索し、ウエスタンブロッティングでタンパクの発現の確認作業を行った。神経芽細胞腫系のセルライン、グリオーマ系のセルラインいずれもノックダウン実験に耐えうるだけのα5サブユニットの発現が得られず、やむなく、ラットの海馬神経細胞を用いることとした。海馬神経細胞はGABA受容体α5サブユニットの高発現が確認された。次のステップとして、マイクロRNAをラットの海馬神経細胞への導入条件の検討を行った。導入条件は細胞の数、試薬の濃度を各々5段階にして、行った。確認は蛍光色素を用いた。現在マイクロRNAの導入条件が確立したため、実際にマイクロRNAを作用させ、そのタンパク質の発現抑制をウエスタンブロッティングを用いた確認作業を行っている。これらの実験が成功すると、我々が初年度に痛みの動物モデルで高発現を確認しているマイクロRNAが実際に抑制系の受容体であるGABA受容体の数を制御することがわかり、さらに、同じマイクロRNAが別の受容体を制御し得ることの証明がなされれば、痛みのメカニズムに置いてわずかなマイクロRNA分子が多くの受容体の発現に同時にかかわることが証明出来ることになり、本年度の成果は、今後のさらなる研究の元となる重要な第一歩となり意義深い。
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