研究課題/領域番号 |
20390419
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
鈴木 和浩 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (80312891)
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研究分担者 |
伊藤 一人 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (00302472)
松井 博 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (40450374)
小池 秀和 群馬大学, 医学部, 助教 (90420091)
萩原 弘一 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (00240705)
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キーワード | 家族性前立腺癌 / スクアレン合成酵素 / HDL / LDL |
研究概要 |
群馬県を中心とした家族性前立腺癌の遺伝子解析をこれまで継続してきたが、H20年度から本科学研究費補助金の元に、あらたな手法である全ゲノム・ホモザイゴシティー・はプロタイプ解析を用いて検討を行うとともに、これまでに我々が関連遺伝子座として同定してきた1p36,8p23における解析を継続した。 8番染色体長腕の連鎖領域の解析を進め、この部位に存在するFarnesyldiphosphate farnesyltransferase (FDFT1)の前立腺癌増殖に関する検討を更に進めた。昨年度のプロモータ領域のCGの遺伝子変化による転写活性の変化をさらに確認した。また、FDFT1のコードするスクアレン合成酵素阻害剤を使用し、前立腺癌細胞LNCAPおよびPC-3における細胞増殖の変化をみたが、同酵素を阻害することで有意に増殖抑制を認めた。このことは、前立腺癌のみならず、腎細胞癌細胞でも同様に示され、細胞にとって非常に鍵となる酵素であることが示唆された。 今回の検討で脂質と前立腺癌の関連が示唆され、LDLやHDLといったリポタンパクによる細胞増殖・遊走能の増加などが判明した。また、スタチンによる増殖抑制もわかり、脂質との多面的な関連が示唆されることなった。動物実験では、高脂血症をきたすマウスに高脂肪食を与えた場合の前立腺における遺伝子変化のプロフィールを検討し、GPx3の抑制をみとめ、今後の新規治療および診断に関わる分子としての候補と考えている。
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