研究課題/領域番号 |
20390421
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
並木 幹夫 金沢大学, 医学系, 教授 (70155985)
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研究分担者 |
溝上 敦 金沢大学, 附属病院, 講師 (50248580)
京 哲 金沢大学, 医学系, 講師 (50272969)
東 達也 静岡県立大学, 薬学部, 准教授 (90272963)
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キーワード | 前立腺癌 / 再燃 / アンドロゲン / 間質細胞 |
研究概要 |
正常前立腺間質細胞(PrSC)および前立腺針生検時に得られた前立腺癌から得られた間質細胞(PCaSC)と、PSA promoterでdriveされているluciferase reporter(pGL3PSAp-5.8)を導入したLNCaP細胞を共培養し、DHEA添加後のPSA promoter活性の変化をluciferase assayにて調べた。また共培養下でのDHEAのLNCaP増殖への影響を調べるため、二層chamberを用いて共培養し、DHEA添加4日後にLNCaPをカウントした。さらに共培養でのDHEAの代謝を調べるため、培養液中のT・DHT、及びその前駆体の濃度をLC-MS/MSにて測定した。その結果、pGL3PSAp-5.8導入LNCaPにDHEAを添加してもPSA promoter活性の上昇は軽度だが、PrSCとLNCaPの共培養にDHEAを添加すると、PSA promoter活性が倍誘導された。さらにPCaSCとの共培養では、DHEA添加によりPSA promoter活性が最大で20倍誘導された。また、LNCaP単独培養では、DHEAは高濃度でしか増殖を促進しなかったが、間質細胞との共培養により、生理的濃度のDHEAでも増殖を促進させた。これらの機序として、LNCaP単独培養ではT・DHT濃度はわずかだったが、共培養によりその濃度は上昇し、前駆体の濃度の上昇も認められた。これはPCaSCとの共培養で顕著であった。以上より、前立腺癌組織内の微小環境において間質細胞でのDHEAからT・DHTへの生合成が証明され、これがホルモン療法後も前立腺癌組織において高濃度でT・DHTが存在している原因であり、それが再燃に関与している可能性が示唆された。
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