研究課題/領域番号 |
20390422
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
横山 修 福井大学, 医学部, 教授 (90242552)
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研究分担者 |
秋野 裕信 福井大学, 医学部, 准教授 (90159335)
伊藤 秀明 福井大学, 医学部, 助教 (00345620)
青木 芳隆 福井大学, 医学部, 助教 (30273006)
棚瀬 和弥 福井大学, 医学部附属病院, 助教 (00359720)
横田 義史 福井大学, 医学部, 教授 (50222386)
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キーワード | メタボリック症候群 / 遺伝子多型 / COX-2 / プロスタグランジン / 下部尿路症状 / 夜間頻尿 / 肥満 / 尿 |
研究概要 |
メタボリック症候群成立の候補遺伝子の変異・多型が下部尿路症の発症にどのように関わっているのか、ヒトで解明した。COX-2のプロモーター領域には-765番目のグアニンがシトシンに変異している-塩基多型Single Nucleotide Polymorphism (SNP)が存在する。この-765G→Cがプロモーター活性の低下、prostaglandin E2産生低下、matrix matalloproteinases (MMPs)活性低下を導いて動脈硬化病変におけるプラークの破裂を防御し、結果として心筋梗塞や脳卒中の発生率を有意に減少させる(JAMA 291:2221, 2004)。したがってCOX-2遺伝子もメタボリック症候群成立の候補遺伝子と言える。われわれはヒトCOX-2遺伝子多型について下部尿路症状との関連を解析した。脳卒中患者でもCOX-2のSNPは存在するが、JAMAの報告と違いその頻度は低く民族間の差異がみられた。しかし、そのphenotypeとしての尿中PGE_2量は下部尿路症状、特に蓄尿症状と有意に関連し、他のメディエーターであるPGF_<2α>、NGF、substance Pよりも強い相関があった。同じ脳卒中患者でありながら、なぜ尿中PGE_2量に違いがでてくるのか、それを調節している因子は何か、今後の課題としたい。本研究は2008年日本排尿機能学会にて報告し、学会賞候補にノミネートされた。また2009年米国泌尿器科学会でも報告予定である。また、メタボリック症候群の各リスクと下部尿路症状、特に夜間頻尿について福井県女性住民検診のデータより解析すると、BMI、高血圧、血糖、脂質異常は夜間頻尿の有無と相関していることが解明された。女性でもメタボリック症候群と下部尿路症状との間に関連があることを初めて解析したもので、これも2009年米国泌尿器科学会で報告予定である。
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