研究課題/領域番号 |
20390422
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
横山 修 福井大学, 医学部, 教授 (90242552)
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研究分担者 |
秋野 裕信 福井大学, 医学部, 准教授 (90159335)
伊藤 秀明 福井大学, 医学部, 助教 (00345620)
青木 芳隆 福井大学, 医学部, 助教 (30273006)
楠川 直也 福井大学, 医学部附属病院, 医員 (80372499)
横田 義史 福井大学, 医学部, 教授 (50222386)
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キーワード | メタボリック症候群 / 遺伝子多型 / COX-2 / プロスタグランジン / 下部尿路症状 / 脳障害 / 過活動膀胱 / 夜間頻尿 |
研究概要 |
下部尿路症の発症にアラキドン酸カスケードがどのように関わっているのか、ヒトの症状スコアーと尿中パラメーターを用いて解明した。本年度は、脊髄疾患に伴う下部尿路症状と尿中PGE_2量との相関について検討した結果、尿中PGE_2量は下部尿路症状、特に過活動膀胱(overactive bladder;OAB)症状と有意に関連し、他のメディエーターであるPGF_<2α>、NGF、substance Pよりも強い相関があった。したがってCOX-2遺伝子も下部尿路症状成立の候補遺伝子と考えられた。 また、なぜ上位脳障害患者で尿中PGE_2量が上昇するのか、動物モデルを用いた検討を行った。脳障害を起こさずに排尿反射のみを亢進させても尿中PGE_2量やATP量に変化はみられない。しかし脳梗塞を作成すると膀胱上皮から産生されるATP量の有意な上昇が観察され、あらあかじめ知覚C線維を脱感作しておくと脳梗塞を作成してもATP放出増加が認められなかった。したがって脳梗塞に伴い膀胱知覚神経がupregulationし、何らかのmediatorを介して上皮からのATP産生を亢進させていると考えられた。 福井県住民健康診査を受けた女性18,952人、男性9,286人を対象に、夜間2回以上トイレに行くか、などの下部尿路症状の調査を行い、下部尿路症状と基礎疾患、血圧、肥満度(BMI)などとの相関について解析する。特に高血圧については収縮期血圧とともに拡張期血圧についても検討した結果、拡張期血圧が高いほど夜間頻尿の相対リスクが高くなり、収縮期血圧とは相関しないことが解明された。拡張期血圧は睡眠障害と良い相関を示すため、拡張期高血圧を認める人は根底に睡眠障害があり夜間頻尿を引き起こしている可能性が示唆された。
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