研究課題/領域番号 |
20390434
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
藤原 浩 京都大学, 医学研究科, 准教授 (30252456)
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研究分担者 |
藤田 潤 京都大学, 医学研究科, 教授 (50173430)
西 英一郎 京都大学, 医学研究科, 准教授 (30362528)
西尾 健資 京都大学, 医学研究科, 助教 (70303790)
服部 明 京都大学, 薬学研究科, 准教授 (50300893)
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キーワード | 組織再構築 / 末梢血単核球 / 血小板 / 胚着床 / 子宮内膜 / 黄体形成 / 絨毛外栄養膜細胞 / 胎盤形成 |
研究概要 |
平成22年度は以下の成果を得た。 1)ヒト免疫細胞および血小板による黄体形成と血管新生およびその機能維持機構の解析 末梢血単核球または血小板にて黄体細胞で発現変化した機能分子として、chemokineを分解する酵素であるDipeptidyl peptidase IVおよびchemokine受容体であるCCR4が同定された。さらにHCG存在下に末梢血単核球および血小板をヒト臍帯静脈上皮細胞(HUVEC)と共培養したところ、脂質走化性因子であるS1Pの分泌が増強されることが示され、黄体形成期の血管新生機構に関して、内分泌系と免疫系の相互応答のもとに血管内皮の走化性が制御されている可能性が示された。 2)末梢血免疫細胞や血小板によるヒト子宮内膜分化・再構築およびヒト胚着床誘導機構の解析 1)で同定されたS1Pを培養子宮内膜上皮細胞に作用させたところ上皮細胞の運動性を増強させることが明らかとなった。またEph-ephrinA systemによって子宮内膜上皮間の結合が解離することが示され、ヒト胚の子宮内膜内への侵入機構に免疫細胞および血小板が関与している可能性が示唆された。 3)胚の子宮内膜間質内への埋没およびヒト絨毛外栄養膜細胞の母体子宮内膜ラセン動脈再構築機構の解析 これまでに新しく同定されたlaeverinが妊娠4週の初期から胚由来の絨毛外栄養膜細胞に特異的に発現していること、さらにリコンビナントlaeverinが絨毛外栄養膜細胞の浸潤を増強することが観察され、新しい母体子宮内膜ラセン動脈再構築機構が提示された。
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