研究課題
従来から私たちにより細胞老化との関連が明らかにされてきたRas/ERα/MDM2/p53/p21シグナル伝達路における機能的破錠と癌化へのゲノム多様性の関与を明らかにするため本年度はERα及びMDM2のAllelic Expression Difference (AED)の存在の有無について解析した。(1)ERαにおけるAEDを解析するためexonlのrs2077647C/T多型を用いた。正常子宮内膜9サンプル、子宮内膜癌16サンプルを用いて遺伝子型を決定したところC/C8例、C/T5例、T/T12例であった。C/Tヘテロ接合体を用い、各アリル別発現量の比較を行ったところ、CアリルはTアリルに比し0.65-0.76とAEDを示した。(2)MDMにおけるAEDを解析するためにexonI rs9372283A/G多型を用いた。正常子宮内膜7サンプル、子宮内膜癌15サンプルを解析した。A/A6例、A/G11例、G/G5例の遺伝子型が示された。A/G遺伝子型ではすべての症例においてGアリルを持つ場合RNA発現は顕著に抑制されていた。G/G遺伝子型でもA/A型に比し発現抑制が認められた。rs937283が存在するexonlはP1プロモータ活性を反映する。このため14症例についてP1プロモータ領域の塩基配列を決定した。Rs9372283A/G及びG/G遺伝子型をしめす11例ではプロモータ領域中の-182bpがC→Gへと変化していた。このためSP1統合領域が26bp短縮されSPIによる転写抑制の原因になっているものと示唆された。さらに新たにc/EBPα結合領域の出現を認めた。c/EBPα結合サイトの出現がMDM2P1プロモータ活性にいかなる影響を与えるかについては今後の重要な課題であると考えられた。以上本年度の研究からMDM2 exonlrs937283A/G多型はプロモータ領域のSNPsと強い相関を示し、P1プロモータ活性を制御していることが判明した。Sp1結合サイトの変化及び新たな転写因子結合能の出現がMDM2発現抑制の原因と考えられた。
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