研究課題
本研究では,磁性体を用いて腹腔子宮内膜症モデルマウスを作成し,その異所性内膜病変の振る舞いを非侵襲的・リアルタイムに定量解析することが可能なシステムを構築することを目的とする.そのために、選別マーカーとトレーサーマーカー(ルシフェラーゼとGFP)を同時に且つ恒久的に発現させることが可能なレンチウイルスベクターが必要となる。そこで、前年度に構築したレンチウイルスベクターの検証を行ったところ、ウイルス力価や感染効率が低いことが判明したため、全長を出来るだけ短くするなどのベクターの改良とともに、遺伝子導入や感染の効率を上げるために培養条件や導入方法・試薬の改善を行った。その結果、許容できるレベルの力価ならびに感染効率が得られた。しかしながら、選別マーカーを用いても極めて低率にしか選別することができず、選別マーカーの発現レベルは極めて低いことが示唆された。その原因を検討したところ、本ウイルスベクターに用いたIRES配列特有の問題である可能性が高いことが疑われた。そこで、IRESの代わりに、タンデムな2つの遺伝子を同時に発現することが可能な新しい配列をIRESの代わりに組み込んだ結果、極めて高率にレンチウイルス感染細胞を選別することが可能となった。前年度に確立した磁性体を用いたin vivo組織構築システムに加えて、本年度は,目的とする動物モデルにとって必須のウイルスベクターが完成したことより、次年度に向けての実験条件・技術の確立がほぼ終了した。
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