研究課題
本研究では,磁性体を用いて腹腔子宮内膜症モデルマウスを作成し,その異所性内膜病変の振る舞いを非侵襲的・リアルタイムに定量解析することが可能なシステムを構築することを目的とする.本年度は先ず、これまで取り組んで来た磁性体による単一病変内膜症モデルマウスのブラッシュアップを行った。昨年度に作製した蛍光蛋白、発光蛋白、および非機能型細胞表面受容体(△SR)の三者を発現することが可能なレンチウイルスベクターを初代ヒト子宮内膜細胞に感染させて△SRを発現させた。続いて、磁気ビーズと結合した△SR抗体と反応させ、MACSで感染細胞を選別・分離した。この磁性を帯びた内膜細胞を重度免疫不全マウスの腹腔内に投与し、同時にマウス腹壁にネオジム磁石を24時間留置して帯磁細胞の腹壁腹膜への集積を行った。感染方法、投与細胞数、および磁石の留置時間などについて条件を変えて実験を行ったが、感染効率および単一病変の構築率が必ずしも高率ではないことが判明した。前段階の実験として行った内膜腺上皮細胞株とその内因性の上皮マーカーを用いた単一病変モデルの作成の際の条件を参考に、初代内膜細胞の代わりに内膜腺上皮細胞株で同様の実験を行ったところ、磁石留置により初めて単一病変(腫瘍形成)が出来る最小の移植細胞数と最適な条件を見いだした。以上、本年度は、これをプロトタイプとした磁性体を用いた新しい腹腔子宮内膜症モデルマウスの作成と確立に際して、基盤となる材料、技術、ならびに知見が得られた。
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