研究課題
胎盤におけるmicroRNA(miRNA)の特異的機能の解明を行うと共に、miRNAによる転写後遺伝子発現調節の仕組みから異常妊娠[妊娠高血圧症候群(PIH)等]の分子病態を解析し、胎盤に発現している疾患特異的miRNAを臨床ツールとして用いた早期診断・治療開発につながる基盤研究を目的に研究を行った。A)胎盤特異的miRNAの機能解析:胎盤特異的miRNA(MIR517等)を過剰発現、または抑制させた培養細胞系(BeWo細胞等)を用いて、マイクロアレイ解析を行った。優位に変動しているmRNAから、バイオインフォマティクス解析により、胎盤特異的miRNAの標的mRNA候補を抽出した。さらに標的mRNAであること検証するために、real-time PCR等の解析を進めた。B)異常妊娠胎盤(PIH)の網羅的miRNAプロファイル解析:大量クローニングとシークエンス解析法と、real-time PCRを用いた先端の定量的アレイ解析法を用いて、PIH胎盤におけるmiRNA発現を、正常胎盤と比較解析した。この解析により、正常胎盤と比較し、PIH胎盤では、第19番染色体上のmiRNAクラスター由来であるmiRNA(MIR519等)の発現が優位に上昇している新知見を見出した。さらに、in situ hybridization解析法により、見出されたmiRNAが胎盤絨毛組織内でどの細胞に由来するのか解析を進めた。
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Biol Reprod 81
ページ: 717-729