研究概要 |
膜タンパク質ペンドリン遺伝子SLC26A4 は内耳における内リンパの陰イオン調節を担っており,変異により感音性難聴を引き起こす.しかし,難聴が引き起こされるメカニズムは不明である.そこで本研究では,ペンドリンの突然変異遺伝子を導入したHEK293細胞を用い,その細胞内局在と陰イオン交換機能を解析した.はじめに,日本人で報告されている10種類の変異ペンドリン遺伝子を作製し,免疫染色により局在を調べたところ,正常なペンドリンは膜に局在したのに対し,8種類の変異体は細胞内に残ったままであった.さらに,サリチル酸の薬剤効果により,機能を回復するか調べたところ,4種類の変異ペンドリンが10mMのサリチル酸投与により細胞膜に移動し,機能が回復した.
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