研究課題
研究は大きく、in vivoでの遺伝子改変マウスを用いた実験とサプリメント等食餌療法の効果を調べる実験、およびin vitroにおける蝸牛細胞培養実験により行った。解析は、ABRやDPOAEを用いた機能解析、光顕・免疫染色による組織観察、DNA microarray、定量的RT-PCR法による遺伝子解析などを用いた。まずSirt3欠失マウスを作成し、カロリー制限が老人性難聴の進行に影響するか検討した。その結果、野生型では老人性難聴の進行が抑制されるのに対し、Sirt3欠失マウスでは抑制効果が無い事が判明した。またC57BU6マウスに高脂肪食を与え、通常食に比べ難聴が悪化するか検討した。高脂肪食群では体重は初期には著明に増加し、肥満傾向が明らかで、耐糖能も低下した。野生型に比べて老人性難聴も悪化傾向を示した。組織変化の詳細は検討中であるが、ラセン神経節細胞は減少傾向にあった。この動物に水素水を持続的に投与したが、明らかな老人性難聴の予防効果は得られなかった。一方、急性難聴モデルとしてモルモットに一過性の音響外傷を与えた場合、水素水の投与により、ABR閾値やDPOAE振幅の回復促進が得られ、酸化ストレスによる内耳障害に対する保護効果が確認できた。またp4マウスから採取した蝸牛培養ではパラコートによりBakの発現が有意に亢進するが、水素水はそれを抑制し、細胞死を減少することが判明した。
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