研究概要 |
内耳の易受傷性を確認するため、以下の遺伝子にターゲットをあてたマウスを用いて解析を行った。 0GG1は活性酸素を消去するために必要な酵素であるため、欠損すると活性酸素の作用が長期化し障害が強く発生する可能性が考えられる。また、もう一つのTBL遺伝子は細胞の生存維持に重要な遺伝子であることが分担研究者である津田らが発見している。また、TBL遺伝子が不完全に発現しているとドミナントネガティブ効果によって生存維持機構を阻害することが知られている。そこでこの遺伝子が内耳特異的に発現するようなトランスジェニックマウスの開発を行った。 1)OGG1ノックアウト(KO)マウスに関する研究 OGGIKOマウスと野生型マウスでの内耳における強大音響曝露および加齢に伴う易受傷性を比較検討した。両群において、強大音響負荷(124dB,4kHz中心としたオクターブバンドノイズを2時間)したが、聴性脳幹反応(以下ABR)上、聴覚閾値の変化には有意差はみられなかった。一方、上記の両群マウスにおいて加齢変化を観察するために、生後9か月の時点でABRを施行したところ、OGGIKOマウスと野生型マウスに聴覚閾値上、有意差をもってKOマウスに悪化が認められた。 現在は、内耳組織内でのDNA障害レベルを種々のマーカーを用いて、免疫染色学的にその発現の差を検討中である。 TBLトランスジェニックマウスに関する研究 2)20年度末に不完全長のTBL遺伝子を発現するマウスの繁殖が完成した。
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