研究課題/領域番号 |
20390445
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
池田 勝久 順天堂大学, 医学部, 教授 (70159614)
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研究分担者 |
美野輪 治 順天堂大学, 理化学研究所, 上級研究員 (00181967)
小池 卓也 電気通信大学, 電気通信学部, 准教授 (10282097)
欠畑 誠治 弘前大学, 医学研究科, 准教授 (90261619)
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キーワード | GJB2遺伝子 / 遺伝子導入 / ウイルスベクター / アデノウイル / アデノ随伴ウイル |
研究概要 |
先天聾は1000出生に1人の頻度に発生し、その半数が遺伝性の原因であり、日本人においてGJB2遺伝子変異が重要であることが知られている。根本的な治療法として遺伝子導入をマウス動物で検討した。内耳への遺伝子導入の方法として蝸牛壁に小孔を開けての投与、正円窓からの投与、半規管からの投与があるが、半規管からの投与は導入効率が低いため今回は検討しなかった。ウイルスベクターはアデノウイルスベクター(AdV)とアデノ随伴ウイルスベクター(AAV)を用いた。AdVを蝸牛壁を経由して内リンパ腔に投与すると支持細胞への発現は認めたが、投与時の侵襲により聴力は低下した。 また、正円窓から鼓室階に投与すると聴力は保たれるが、支持細胞を含むコルチ器には発現を認めなかった。一方、AAVを内リンパ腔に投与するとAdVの投与時と同様に支持細胞への発現は認めたが、聴力は低下した。鼓室階にAAVを投与すると聴力の低下を認めずに主にDeiters細胞などの支持細胞に発現を認めた。鼓室階にAAVを出生直後のマウスに投与することにより聴力の損失なく蝸牛支持細胞に遺伝子を導入することに成功した。これは6JB2遺伝子変異の先天性難聴患者の根本治療に結びっく可能性がある。
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