研究課題/領域番号 |
20390447
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
村田 敏規 信州大学, 医学部, 教授 (50253406)
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研究分担者 |
新藤 隆行 信州大学, 医学系研究科, 教授 (90345215)
石橋 達朗 九州大学, 医学系研究科, 教授 (30150428)
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キーワード | RAMP-2 / 糖尿病網膜症 / 糖尿病 / アドレノメデュリン / ノックアウトマウス / タイトジャンクション / 基底膜 / 黄斑浮腫 |
研究概要 |
我々はRAMP-2がアドレノメデュリンの作用の発現に鍵となる物質であると考え、RAMP-2ノックアウトマウスを作成した。アドレノメデュリンは網膜の血管新生病とその循環のホメオスタシスに重要な役割を果たしている。アドレノメデュリン・レセプターはreceptor activity-modifying protein 2 or 3(RAMP2,-3)とGPCR calcitonin receptor-like receptorからなる。 RAMP2の-/-マウスは胎児の間に血管系の脆弱性により出血がおこり死亡するが、全身に重得な浮腫が見られることがその特徴である。RAMP2の-/-の血管内皮細胞は基底膜から剥離し、細胞間接合装置に異常が見られた。RAMP2の-/-の血管内皮細胞の培養細胞では、基底膜の構成成分の産生が低下して形成異常があり、タイトジャンクションの高生が不完全である。これらが重篤な浮腫の原因であると考え、形態学的に検討を進めた。 RAMP2の+/-マウスは出生して成長し成人にいたるが、血管透過性亢進は軽度であり、その浮腫も軽度であった。さらに、不十分な血管新生がみられ発達は不十分であった。 全身に浮腫があるマウスでも、網膜には明らかな浮腫力弐見られなかった。これは網膜色素上皮細胞が、浮腫に大きな関与していないことを示唆している。 今後このマウスを糖尿病化させ、糖尿病網膜症などの網膜浮腫の原因を調べていく。
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