研究課題/領域番号 |
20390452
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
大植 孝治 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (50314315)
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研究分担者 |
福澤 正洋 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (60165272)
麦島 秀雄 日本大学, 医学部, 教授 (80183648)
金子 安比古 埼玉県立がんセンター, 臨床腫瘍研究所, 所長 (50373387)
越永 從道 日本大学, 医学部, 准教授 (70205376)
樋之津 史郎 京都大学, 医学系研究科, 准教授 (80323567)
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キーワード | Wilms腫瘍 / 予後因子 / リスク分類 / プロトコール |
研究概要 |
(1)まず過去に日本ウィルムス腫瘍スタディ(JWiTS)グループに登録された腎腫瘍の予後を調査するために、1996年から2005年までに日本ウィルムス腫瘍スタディ(JWiTS)-1に登録された307例のうち、中央病理診断が確定し追跡調査が可能であった210例に関する追跡調査を行った。最終的に87.6%の症例で回答が得られ、中央病理診断用標本送付率は74.6%であった。組織別の5年生存率は、Wilms腫瘍(N=152)が90%、CCSK(N=15)が71%、RTK(N=18)が22%であった。wilms腫瘍FH症例の病期別の5年生存率は、StageI(N=55)、II(N=42), III(N=11), IV(N=15), V(N=8)がそれぞれ89、91、91、87、60%であった。Stage V(両側性)に関しては症例数が少なく充分な検討はできなかったが、追跡可能であった11例中2例が死亡、2例が担癌生存であり、生存例のうち2例が腎不全に陥っていた。 (2)腎芽腫の治療成績は良好であり、腎明細胞肉腫の治療成績も比較的良好で現行のプロトコールを標準治療とすることが可能と考えられたが、腎ラブドイド腫瘍の治療成績は極めて不良であった。また両側性症例に関しては、腎実質温存を目的とした加療が必要であると考えられた。そこで現在RTKと両側性腎芽腫に対して新しいプロトコールを作成中であり、来年度以降に新たなプロトコールによる臨床試験を開始する予定である。 (3)治療を層別化するための生物学的予後因子の研究に関しては、JWiTSに集積された腎腫瘍の検体を用いて、研究分担者の金子がIGFII遺伝子のインプリンティング、RASSFIA遺伝子のメチル化の検討を、大喜多がWT1遺伝子の変異の検討を行っており、現在臨床データとの関連を検索中である。
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