研究課題/領域番号 |
20390460
|
研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
橋本 悟 京都府立医科大学, 医学研究科, 准教授 (90167578)
|
研究分担者 |
志馬 伸朗 京都府立医科大学, 医学研究科, 講師 (00260795)
天谷 文昌 京都府立医科大学, 医学研究科, 助教 (60347466)
上野 博司 京都府立医科大学, 医学研究科, 助教 (20381965)
田中 雅樹 京都府立医科大学, 医学研究科, 准教授 (80264753)
長谷川 直樹 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (20198724)
|
キーワード | 急性肺損傷 / ATP、細胞外 / 肺胞上皮被覆液 |
研究概要 |
本年度はモエシンノックアウトマウスを使用した実験系においてマウス気管内にブレオマイシンを投与する計画をたてていたが、ノックアウトマウスの作成に難渋し当初の実験の拡張は断念し、それまでの結果に基づいて報告を行った。ATPに関する実験ではマウスに高容量換気による人工呼吸関連肺損傷モデルを作成し検討を加えたが、高容量換気群では、有意に肺間質重量比が増大し、血中投与したヒトアルブミンの肺胞内濃度が上昇すると共に、気管支肺胞洗浄液中の細胞外ATP濃度が上昇することが明らかとなった。また同程度の気管内ATP投与により、肺胞における透過性の亢進が認められた。以上の結果より細胞外ATPは細胞破壊もしくは特定の細胞から能動的に分泌されプリナージック受容体を介してこれらの作用を発現しているのではないかと想定された。以上の結果はRespiratory reseachに掲載された。一方、臨床面ではクラリスロマイシン400mgおよび800mgの経口投与後に肺胞上皮被覆液中および血中のクラリスロマイシン濃度を検討し、血中濃度には差がないが、肺胞上皮被覆液中の濃度には有意の差があることが明らかとなった。また何れに群においても肺胞上皮被覆液中のクラリスロマイシン濃度は血中濃度よりも有意に高く特に800mg投与群では血中濃度は2μg/ml程度の状況で肺胞上皮被覆液中濃度は20-302μg/mlにも達していることが判明した。以上の結果をPulmonary pharmacology & therapeuticsに報告した。
|