研究課題/領域番号 |
20390460
|
研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
橋本 悟 京都府立医科大学, 医学研究科, 准教授 (90167578)
|
研究分担者 |
志馬 伸朗 京都府立医科大学, 医学研究科, 講師 (00260795)
天谷 文昌 京都府立医科大学, 医学研究科, 講師 (60347466)
上野 博司 京都府立医科大学, 医学研究科, 助教 (20381965)
田中 雅樹 京都府立医科大学, 医学研究科, 准教授 (80264753)
長谷川 直樹 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (20198724)
|
キーワード | 急性肺損傷 / neutral endopeptidase / Laminin5 |
研究概要 |
本年度は人工呼吸器関連肺損傷に関連したバイオマーカーとしてマイクロサンプリング法を用いてALI/ARDS、COPD、急性肺血栓塞栓、特発性肺線維症患者らを対象に肺胞上皮被覆液中および血中のLaminin5 γ2断片の測定を行った。その結果、ALI/ARDS発症時点での血漿G2F濃度は、他疾患に比して著しく高値をしめした。またALI/ARDS患者においても生存群に比較して死亡群で有意に高く、生存群では5~7日後にその値は正常値付近に漸減していくが、死亡群では急激に再上昇した。さらにin vitroの細胞実験においてはEGF刺激により肺上皮細胞から容量依存的にLaminin5が産生されることを確認した。このようにG2F濃度推移は肺損傷の上皮修復と強い相関が認められ有力なバイオマーカーであることが示唆された。さらに我々は従来測定困難とされていた炎症性のペプチド分解酵素であるneutral endopeptidase(NEP)活性についてもHPLC fluorometric system検討による測定法を確立し、臨床検体および動物実験にて検討を加えた。ALI/ARDS患者においてはNEP活性は著しく抑制されてることが示された。このことはラット塩酸肺損傷モデルにおいても同様に血中のNEP活性は抑制されたが、かつ肺胞内におけるNEP活性は上昇するという結果を得た。現在HO(heme oxygenase)-1を肺損傷患者において検討しており1年前後でその有用性が明らかになることが期待される。
|