研究課題/領域番号 |
20390464
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
前田 健康 新潟大学, 医歯学系, 教授 (40183941)
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研究分担者 |
泉 健次 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (80242436)
井上 佳世子 (野澤 佳世子) 新潟大学, 医歯学系, 特任准教授 (90303130)
河野 芳郎 新潟大学, 医歯学系, 助教 (60303129)
鈴木 晶子 新潟大学, 医歯学系, 特任助教 (70509538)
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キーワード | 末梢神経再生 / 軸索-シュワン細胞相互作用 / 歯根膜ルフィニ神経終末 / 終末シュワン細胞 / GDNF / カベオリン / 機械受容器 |
研究概要 |
本研究の目的は歯根膜機械受容器のルフィニ神経終末の軸索終末-終末シュワン細胞間に豊富に存在するカベオラに着目し、免疫細胞化学ならびに分子生物学的手法を用いて、歯根膜ルフィニ神経終末におけるカベオラの存在意義を明らかにすることにある。 本年度は神経栄養因子の一つであるグリア細胞株由来神経栄養因子(GDNF)の歯根膜神経再生過程に関わる役割を検索するとともに、カベオラの主要構成タンパクであるカベオリン遺伝子改変マウスの歯根膜ルフィニ神経終末の形態形成について検討した。 1.正常ラットの下歯槽神経を下顎孔付近で切断し、歯根膜をGDNF抗体で免疫染色し、経日的に観察した。下歯槽神経切断により歯根膜ルフィニ神経終末に付随するGDNF陽性終末シュワン細胞は消失し、切断後4週までにGDNF陽性終末シュワン細胞が再生した。また、三叉神経節におけるGDNF mRNAの変動を検討したところ、切断後2週で発現量のピークが観察された。このことはGDNFが歯根膜ルフィニ神経終末の再生に重要な役割を果たす分子であり、軸索終末-終末シュワン細胞間の相互作用により、神経終末の再生がおこること、またこの相互作用にカベオラを介するシグナル伝達機構が関与することが示唆された。 2.軸索終末-終末シュワン細胞相互作用を検討するために、新たにマウス眼窩下神経結紮モデルを作成し、このモデルが神経再生過程における神経-シュワン細胞相互作用の解明に有用であることを報告した。 3.カベオリン遺伝子改変マウスの検索では、同マウスの繁殖が悪く、納入が遅れたが、繰り越し申請を行った。 genotypingによりphenotypeを確認後、生後1,2,3,4週齢のホモ型マウス上顎切歯歯根膜をprotein gene product9.5の免疫組織学により、ルフィニ神経終末の形態解析を進めた。その結果、光線顕微鏡レベルの観察では、ホモ型および野生型マウス間での明瞭な形態変化は観察されなかった。
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