研究課題
基盤研究(B)
口腔扁平上皮癌(OSC)に対する抗癌剤の作用に及ぼすNO供与体の併用効果を検討した。OSC細胞に対する5-FUの増殖抑制効果は、正常酸素および低酸素分圧下いずれの条件においてもNO供与体であるNOC-18の併用により増強された。マウス背部皮下に形成された腫瘍の増殖は、5-FUあるいはニトログリセリン(NTG)単剤投与でも有意に抑制されたが、両者を併用することにより最も強く抑制され、その際、腫瘍組織におけるHIF-1αおよびHIF-1α標的遺伝子産物(VEGF、GLUT-1)の発現が有意に低下した。さらに、口腔扁平上皮癌症例において、化学・放射線療法と並行してNTGを投与した群では非投与群に比べ化学・放射線療法の臨床効果が増強される傾向が認められた。以上より、NO供与体と抗癌剤との併用はOSCの治療上検討すべき方法であることが示唆された。
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Free Radic Biol Med 48(10)
ページ: 1321-1329
http://www.kochi-ms.ac.jp/~fm_dntst/index.htm