研究課題/領域番号 |
20390481
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
笹野 高嗣 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (10125560)
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研究分担者 |
菅原 由美子 東北大学, 病院, 助教 (30235866)
庄司 憲明 東北大学, 病院, 講師 (70250800)
阪本 真弥 東北大学, 病院, 講師 (90157686)
飯久保 正弘 東北大学, 大学院・歯学研究科, 講師 (80302157)
佐藤 しづ子 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (60225274)
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キーワード | 歯痛 / 歯髄炎 / 交感神経 / hnRNA遺伝子発現 / 疼痛制御 / 三叉神経刺激 / HPA axis / Corticotropin releasing hormone |
研究概要 |
平成22年度は、これまでの研究結果を踏まえ、Capsaicinを用いた舌への痛み刺激が、三叉神経節内神経関連分子[c-fos,SP(tac 1),CGRP,NGF,BDNF LPA_1およびP2X_4]の遺伝子発現に及ぼす影響を検討する為に、Real time PCR法による定量解析を行った。実験動物として、9~10週齢の雄性Wistar系ラット(体重200~300g)54匹を用いた。舌に30mM capsaicin溶液(1% capsaicin+10% ethanol+10% Tween 80+saline)10μlを注入した24匹をcapsaicin群(注入5分後断頭n=6、同15分後n=6、同30分後n=6、同60分後n=6)、およびvehicle(10% ethanol+10% Tween 80+saline)10μlを注入した24匹をvehicle群(注入5分後断頭n=6、同15分後n=6、同30分後n=6、同60分後n=6)とした。また、ジエチルエーテル麻酔のみを行ったラットをコントロール群(n=6)とした。 その結果、 Capsaicinの舌への注入により、三叉神経節において、 1.c-fos遺伝子発現は、Control群の2.5倍(30分後)および2.16倍(60分後)に増加した。 2.CGRP遺伝子発現は、Control群の1.57倍(60分後)に増加した。 3.LPA_1遺伝子発現は、Control群の1.65倍(30分後)に増加した。 4.P2X_4遺伝子発現は、Control群の5.49倍(60分後)に増加した。この増加量は他の分子と比較して有意に大きかった。 以上の結果より、Capsaicinの注入により、最も強く発現したP2X4遺伝子は、急性痛のマーカーとなる可能性が示唆され、今後の痛みに関する研究に応用が可能と考えられた。
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