研究課題
1.研究歯科検診国立循環器病センター予防検診部の健診受診者(年齢50歳~79歳)で文書により同意を得た者510名を対象に研究歯科検診を実施した。歯科検診の方法としては、標準化した方法で口腔内検査を行い、う蝕の状態を表すDMF歯数、機能歯数(ブリッジのポンティック、インプラント支持による補綴装置を含む)、咬合(噛み合わせ)の状態を表すEichner'slndex、歯周病の指標である地域歯周疾患処置必要度(CPITN)歯数を評価した。また、感圧シートによる咬合力検査、咀嚼時唾液分泌量(以下;唾液量)測定、ならびに咀嚼能率(検査用グミゼリーによる咬断片表面積増加量)測定を行った。採取した唾液は凍結保存し、real-time PCR法による歯周病細菌の同定のほか、潜血反応、ストレスマーカー(コルチゾール、アミラーゼ)濃度などの分析に用いることとした。2.口腔健康と耐糖能との関係についての分析対象者は、平成20年6月から平成21年6月までの期間に、国立循環器病センター予防検診部の健康診査を受診した341名(男性146名、女性195名、平均年齢65.4歳±7.5歳)とした。歯科検診と血液検査を行い、糖尿病の既往歴がない場合には75g経口ブドウ糖負荷試験(以下OGTT)を行った。耐糖能については、日本糖尿病学会の診断基準に基づき、対象者を正常群(空腹時血糖[FPG]<110mg/dLかつOGTT2時間後血糖値[2hPG]<140mg/dL)と耐糖能異常群(FPG≧110mg/dL、2hPG≧140mg/dL、または糖尿病治療)に分類した。耐糖能と歯科検診の結果との関連については、年齢調整x^2検定と共分散分析を用いて解析した。耐塘能に影響を及ぼすとされる年齢、性別、飲酒の有無を調整したのち、耐糖能と口腔健康関連因子との関係はロジスティック回帰分析を用いて検討を行った。その結果,口腔内因子として咬合支持の低下が耐糖能障害と関連していることが明らかとなった。
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