研究課題/領域番号 |
20390489
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
小野 高裕 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 准教授 (30204241)
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研究分担者 |
城下 尚子 大阪大学, 歯学部附属病院, 医員 (10448110)
阪上 穣 大阪大学, 歯学部附属病院, 医員 (30543483)
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キーワード | 歯周病 / 咀嚼能力 / 生活習慣病 / メタボリックシンドローム |
研究概要 |
平成20年6月から平成22年6月の期間に、健康診査、75g糖負荷検査、生活習慣問診、口腔内診査を受けた吹田研究参加者1032名(男性446名、女性586名、50歳~79歳、平均年齢66.3±8.0歳)を対象に、歯周病ならびに咀嚼能力関連因子と耐糖能障害との関連について分析した。 対象者全員に前もって受診前12時間の絶食を指示し、医師による全身既往歴問診と静脈血採血を行った後、耐糖能の診断のために75g経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)を行い、空腹時血漿血糖値(FPG)とOGTT2時間後の血漿血糖値(2HPG)をそれぞれ測定した。現病歴と、FPG、2HPG、随時血糖値の値から、耐糖能正常群(正常群)、空腹時血糖異常群(IFG群)、耐糖能異常群(IGT群)、DM群に分類した。口腔内診査は、DMF歯数、機能歯数(ブリッジのポンティック、インプラント支持による補綴装置を含む)、咬合支持(Eicllner分類)、歯周病の進行度(CPI)を評価した。また、感圧シートによる咬合力測定ならびに検査用グミゼリーによる咀嚼能率測定を行った。 耐糖能と口腔健康関連項目との関係について、年齢、性別、飲酒、喫煙、高血圧症既往、脂質異常症既往、腹囲を調整変量としたロジスティック回帰分析を用いて検討を行ったところ、IGT群は、正常群と比較して、4mm以上の歯周ポケットを有するリスクが1.43倍(95%信頼区間:1.00-2.05、P<0.05)、咬合支持域が減少する(Eichner B群またはC群である)リスクが1.46倍(95%信頼区間:1.01-2.12、P<0.01)となった。今回は横断的分析のため原因・結果の関係は判定できないが、DMの予防の立場からも、その前段階であるIGTにおいて口腔内の炎症だけではなく咬合支持域の減少にも配慮する必要が示唆された。
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