研究課題/領域番号 |
20390501
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研究機関 | 日本歯科大学 |
研究代表者 |
石川 博 日本歯科大学, 生命歯学部, 客員教授 (30089784)
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研究分担者 |
中原 貴 日本歯科大学, 生命歯学部, 教授 (10366768)
佐藤 聡 日本歯科大学, 新潟生命歯学部, 教授 (70235357)
那須 優則 日本歯科大学, 生命歯学部, 准教授 (50130688)
井出 吉昭 日本歯科大学, 生命歯学部, 講師 (70409225)
富永 徳子 日本歯科大学, 生命歯学部, 助教 (90546532)
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キーワード | ヒト骨髄 / 組織幹細胞 / 3胚葉性テラトーマ / 胚子様構造体 / 歯胚 / エナメル上皮細胞 / ETFs / 還流培養 |
研究概要 |
患者さんの自己の骨髄から組織幹細胞を分離し、これを細胞源として培養法を用いて免疫問題や感染問題の全く生じないオーダメイドの再生歯を作ること、そしてその移植法を開発することを本実験の目的とする。本年度は昨年度樹立したヒト骨髄組織由来の組織幹細胞(27株)のうち、3胚葉性のテラトーマを作出した3株の細胞から懸濁培養法で胚様体を作り、これを環流培養して成育させた約1cmの胚子様構造体に歯胚が存在するか否か調べた。固定した胚子様構造体のうち、約2%に複数の歯胚様構造物を確認できた。しかし未固定では胚子様構造体のどこに歯胚が存在するのかを確実に同定することは出来なかった。そこでプロジェクトを一部変更し、1)胚子様構造体の体表構成細胞からエナメル上皮細胞を分化させる方法を開発する、2)分化したエナメル上皮細胞とヒトの抜去歯の歯根膜を組み合わせ再生歯の形成をはかる、を計画に加えた。 [研究結果]胚子様構造物の中には各種の器官・臓器の原基が存在するが、その数やその存在部位には規則性が認められないため、確実にこれが歯胚と同定することは不可能であった。そこで実体顕微鏡を用い胚子様構造体の下から透過光を当て、歯胚と思われる部分を摘出し、これを人工ETFsを用いて環流培養した。2か月間環流培養した数例にエナメルと歯根さらに歯髄と思われる構造を持つ約3 x 5mmの歯を得た。現在、免疫不全動物への移植を試みている。次に胚子様構造体の表皮構成細胞をヒト乳歯の歯髄細胞の濃縮培養液で誘導培養して、エナメル上皮様細胞に分化させる事に成功した。現在この細胞を培養しエナメルを形成させている。エナメル形成に成功したら、ヒト抜去歯の歯根膜と組み合わせて再生歯を形成させる予定である。
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