研究課題/領域番号 |
20390508
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研究機関 | 九州歯科大学 |
研究代表者 |
引地 尚子 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (50292876)
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研究分担者 |
西原 達次 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (80192251)
石井 聰 秋田大学, 医学部, 教授 (10300815)
中村 元直 東京大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (40431762)
高橋 由希子 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (10582778)
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キーワード | 骨吸収性疾患 / 脂質リガンド / 脂質リガンド / オーファン受容体 |
研究概要 |
骨吸収性疾患と脂質メディエーターおよびGPCRを主とするその受容体の関連性は、重要性が予想されるにも関わらず、ほとんど研究されていなかった。われわれは、脂質リガンド、受容体の骨疾患、骨代謝関連性について研究を進めていたが、その結果、骨吸収作用を持つ、より重要なGPCR受容体の存在を予想するようになった。本研究ではこれらの受容体を選定し、in vivo, in vitroで骨吸収作用の解析を行うことおよびGPCR受容体アンタゴニストの骨吸収薬剤としての開発の可能性を検討することを目的とした。 BLTlは、脂質メディエーターの一つであるロイコトリエンのGPCR受容体である。そのBLTlノックアウトマウスで骨吸収疾患モデルを作成したとき、BLTlノックアウトマウスでは野生型マウスに比較して骨吸収がおきにくいことがわかった。また、BLTlノックアウトマウス由来破骨細胞のカルシウム吸収能は野生型マウス由来破骨細胞に比較し減少していることがわかった。さらにLTB_4は、BLTl-Gi-Raclの経路を介してBLTlを発現する破骨細胞の形態を変化させた。破骨細胞の細胞活性と形態変化とには密接な関係があることが知られているため、LTB_4はパラクライン・オートクラインに作用してBLTl-Gi-Racl経路を介して破骨細胞活性を増加することが示唆された。また、BLTlアンタゴニストに骨吸収抑制作用のあることもわかった。以上より、BLTlには骨吸収機能があり、そのアンタゴニストの薬剤としての有用性が示された。
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