研究概要 |
Phosphodiesterase(PDE)は11種類(PDE1からPDE11)に分類され,各サブファミリーはいくつかのアイソザイム(合計21種類)があり、更に、各アイソザイムにはsplice variantsが存在している.そして、細胞内のセカンドメッセンジャーであるcAMPやcGMPを分解しその濃度を調節している.したがって、cAMPやcGMPによる細胞内シグナル伝達系が存在すれば必ずPDEが存在し、そのシグナルに対して重要な役割を担っている.これまでにわれわれは口腔由来悪性黒色腫PMP細胞でPDE2による増殖と浸潤の制御、および、PDE2遺伝子変異を世界で初めて発見した.そこで,本研究ではPDE2の研究を進めるためPDE2のsplice variantsや運動能への関与について等を検討した. PDE2には4種類のsplice variantsが報告され、各variantsが異なった機能を持つ可能性が示唆されているため、PMP細胞で発現を検討した.PMP細胞ではPDE2A2のみが発現していた.更に、5'末端に数十ベース異なるvariantsを発見した.次にPDE関連の特異的阻害剤にて運動能について検討したが、PDE2やPDE3の特異的阻害剤等は運動能に影響しなかった.これまでの一連の結果より、4種類あるPDE2 splice variantsのうち、PDE2A2が増殖と浸潤の制御に関係する可能性が示唆された.また、in vivoでの検討を行うために、PMP細胞にPDE2特異的なsiRNAを作用させ、PDE2遺伝子発現の抑制をリアルタイムPCRとウエスタンブロットで確認した。 以上の結果は以下で示す学会で発表を行った.
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