研究概要 |
本研究は、顎関節滑膜細胞由来の幹細胞を採取・培養して,その細胞に遺伝子を導入して顎関節内に戻し,機能を失った関節構成組織の再生法や口腔領域の欠損した骨組織を再生させる治療法の開発を目的としている. I.平成20年度では、ミニコイルスプリングを使用した機械的負荷によるウサギ顎関節炎モデルを作成した。本研究で使用する動物顎関節炎モデルは、スプリングを用いて動物顎関節に1Nの牽引負荷をかけ、非菌的関節炎を誘導する方法を用いた。 動物は日本白色種家兎(体重3.0-3.5kg)を用い、コイルスプリングを正確に1Nの牽引力に設定した。術後3日、1週および4週(各々n=5)に顎関節組織標本作製を行った。この結果術後4週間では、コイルスプリングを装着した顎関節に無菌的機械的炎症が誘発された。 また、炎症が強かった関節腔からの滑液細胞は、非常に未分化で後に多分化能が強い事が分かった。 このことは,滑膜細胞の中には未分化な細胞が存在し,それらを採取・培養後に目的組織の遺伝子を導入して,組織形成を行えることが示唆された.
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