研究課題/領域番号 |
20390525
|
研究機関 | 北海道医療大学 |
研究代表者 |
溝口 到 北海道医療大学, 歯学部, 教授 (20200032)
|
研究分担者 |
田隈 泰信 北海道医療大学, 歯学部, 教授 (40095336)
上地 潤 北海道医療大学, 歯学部, 講師 (80372879)
鳥谷 奈保子 北海道医療大学, 個体差医療科学センター, 助教 (20433435)
|
キーワード | 歯根吸収 / 歯の移動 / セメント質 / セメント芽細胞 / 細胞死 |
研究概要 |
従来の歯根吸収に関する研究は、主役である吸収系細胞(破歯細胞)およびそれに関連する硝子様変性組織を対象として行われたものがほとんどであり、吸収される側のセメント質やセメント質関連細胞(セメント芽細胞とセメント細胞)に着目した研究はほとんど行われていない。本研究の目的は、従来の基礎的研究においてほとんど対象となっていないセメント質やセメント質関連細胞(セメント芽細胞とセメント細胞)に着目し、セメント質関連細胞の細胞死、セメント質の基質的変と歯根吸収との関連性を形態学的、分子生物学的手法を通して包括的に明らかにすることである。 平成22年度は、生後8週齡の雄性Wistar系ラットに対し、Ni-Ti超弾性ワイヤーを用い、矯正力を前年度の倍である20gの力で第一臼歯の頬側移動をはかる実験を行った。実験終了後、4%paraformaldehyde/0.1M PBによる潅流固定とEDTA溶液による脱灰後、パラフィン切片を作製し、共焦点レーザー顕微鏡による核(single-stranded DNA)と細胞形態(cleaved caspase-3)の観察を行った。その結果、歯の移動6時間後には、圧迫側硝子様変性組織に隣接する歯根セメント質のセメント芽細胞および有細胞セメント質に存在するセメント細胞の核の濃縮、細胞突起の消失、細胞質のアクチン染色郷土の減少が観察された。さらに、TUNEL法を行った結果、セメント質関連細胞は歯の移動に伴い、細胞死apoptosisを生じていることが明らかになった。今後は免疫組織学的にセメント質に特徴的な基質の変化を免疫組織学的に検討する予定である。
|