研究概要 |
平成22年度の研究目的は概ね21年度の踏襲とし、(1)全国調査の遂行により疼痛患者の存在割合と生活実態を明らかにすること、(2)それらの患者と体験している痛み現象を多次元的に測定・評価すること、さらに、(3)在宅患者の疼痛管理を改善するために専門職者からなる疼痛ケアネットワークを構築することとした。その実績はつぎのようである。 1.在宅疼痛患者の実態調査 計画していた全国調査は予備調査段階である。年度末に生じた世情を考慮し、今後、対象を西日本地方に絞って予備調査を含む再調査を行うべく、計画を修正した。 2.疼痛患者の痛みの評価 ホームページに投稿されたデータ、研究代表者の別課題研究からのデータから、疼痛患者の痛みの様相を知るデータが集積されつつある。事例数は平成23年3月末まで270を超えた。 3.学術集会で交流集会及び講演 日本看護技術学会の学術集会に例年シリーズで開催している交流セッションを「疼痛看護学の確立を目指して痛みのケアの確立を日指して(6)-痛みのアセスメント技術を再考する-患者はなぜ相談室を訪れるか」と題して開催した(第8回,名古屋市)。50名の研究者が参集して情報交換した。 また、8月に岡山で開催された第36回日本看護研究学会学術集会で「ヒトの痛みを問い続けて」と題して講演を行い、在宅慢性疼痛患者のケア体制の確立と疼痛ケアネットワークの必要性ついて言及した(会長講演、聴衆約1,000名)。 4.ホームページの管理・運営と疼痛ケアネットワークの拡大 ホームページに設置した疼痛評価ツールに寄せられた投稿データを棒グラフで閲覧できるようにした(年3~4回更新予定)。また、専門家を対象とした疼痛ケアネットワークへの登録数は平成23年3月末で37名となった。また、一般者から代表者に直接、ホームページへの質問や要望が寄せられた。
|