研究課題/領域番号 |
20390542
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
深井 喜代子 岡山大学, 大学院・保健学研究科, 教授 (70104809)
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研究分担者 |
兵藤 好美 岡山大学, 大学院・保健学研究科, 准教授 (90151555)
早瀬 良 岡山大学, 大学院・保健学研究科, 助教 (90571927)
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キーワード | 疼痛看護 / 非がん性慢性疼痛患者 / 痛みのアセスメント / 疼痛ケアネットワーク / 痛みの多次元評価 |
研究概要 |
平成23年度の研究目的は概ね前年度の踏襲とし、その進捗状況は以下のようである。 1.在宅疼痛患者の実態調査 前年度の震災事情から、同地域への調査を控えることを決断し、調査対象を西日本地方に絞るべく、対象地域の自然及び社会環境を中心に公的データベースを収集したうえで、まず地区診断表を作成した。その結果から調査対象地域の確率的抽出を行った。 2.疼痛患者の痛みの評価 ホームページに投稿されたデータ、研究代表者の別課題研究からのデータから、疼痛患者の痛みの様相を知るデータが集積されつつある。事例数は平成24年3月末までに330を超え、痛みの種類によって評価スコアが一定のパタンを示す傾向が出てきた。これに加えて、の痛みの相談室(岡山大学病院患者サービス部門)を訪れる患者の多次元的疼痛評価も継続実施している(平成23年度からはPAIN VISIONを設置)。 3.学会活動とホームページの両立による疼痛ケアネットワークの拡大 ホームページ通じたネットワーク拡大に向けて(平成24年3月末現在の訪問数は延べ13,000)、ホームページに設置した疼痛評価ツールに寄せられた投稿データを棒グラフで閲覧できるようにし、平成23年度末に総数330となった時点でグラフを更新した。今年度はさらに、訪問者がアセスメントツールへの投稿だけでなく、訪問者自身が自己採点できるよう採点方法を掲載し、暫定的母集団の平均値と比較できるようにした。また、専門家を対象とした疼痛ケアネットワークへの登録数は平成23年3月末で51名である。1,000名規模の学術集会での講演(研究代表者深井)や本研究組織が主催する交流集会への参加者がホームページを訪問するケースとその逆のケースがあり、オンラインとオフラインを両立させることもネットワーク拡大の鍵となっていることが伺えた。今後は関係性を明確に提示しながら2つの活動を発展させていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
1.震災により全国調査を断念し、疼痛患者の実態調査の対象地域を西日本地方に限定したことによる対象選定方法(無作為化を含む)変更したこと。 2.当初(申請時)の計画では調査対象を患者と専門職、病院と地域と広範に設定していたが、それらを遂行するには時間・予算・マンパワーともに不十分である。
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今後の研究の推進方策 |
1.痛みの多次元的評価は、当初の計画通り訪問看護ステーション等の協力を得て大学近隣で年度内2期(春~夏、秋~冬)に集中的に実施する。 2.研究組織に研究協力者がいるハンセン病患者の後遺障害としての末梢神経痛患者については、施設の協力を得ながら、専門職調査については全国で、多次元的評価については県内施設の全対象での実施を目指す。 3.研究の遅延に対しては、調査対象地域を西日本地方に限定するとともに、調査対象も非がん性慢性疼痛のうち、痛みの種類を限定して実施することで対処する。
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