研究課題/領域番号 |
20390546
|
研究機関 | 兵庫県立大学 |
研究代表者 |
山本 あい子 兵庫県立大学, 地域ケア開発研究所, 教授 (80182608)
|
研究分担者 |
上泉 和子 青森県立保健大学, 健康科学部, 教授 (10254468)
安達 和美 近大姫路大学, 看護学部, 准教授 (70280104)
渡邊 智恵 兵庫県立大学, 地域ケア開発研究所, 准教授 (00285355)
田村 康子 近大姫路大学, 看護学部, 講師 (80326305)
|
キーワード | 備え / 災害 / 看護 / 健康 / 教育 / 概念枠組み / 日本:モロッコ:米国 |
研究概要 |
災害に対する看護の「備え」の概念を明らかにし、看護が災害に備えるために世界で共有できる看護の「備え」枠組みを開発する目的に向けて、計画通りに下記の活動を行った。 1)「備え」要素の抽出は、(1)文献検討(報告書を含む)ならびに(2)面接調査を通して行った。 (1)文献検討に関して:対象とした文献は看護系の研究論文を中心に、WHOや国際赤十字等国際機関の関係文書、また看護管理の視点も含める必要からガイドライン・マニュアルなどであった。その結果、災害における備えは危機管理における重要な側面であること、また備えには、国レベル・地域レベル・個人レベルの各層があること、また専門職レベルや管理レベルによっても異なることがわかった。備えの要素としては「計画」「組織化」「訓練」「練習」「装備」「評価と修正」等が挙げられる。また大規模災害時には、多くの生命を救うために、受入可能なケアの質を整えること、情報の集約と発信、マンパワーの確保、ケア環境の整備等が重要である。 (2)グループインタビュー或いは個別面接調査は、災害(地震、ハリケーン、水害)を経験した国や地域の医療機関や保健施設に勤務する医療職や看護管理者を対象として行った。看護における「備え」とは何か、「備え」に関係する要素には何があるのか等を聞き取り、結果は内容分析法を用いて明らかにした。備えの要素として、既存のネットワークの存在(パーソナルなネットワークを含む)、災害計画の存在、教育(研修)の実施、健康状態を把握するための知識や媒体、災害に対する認識と備えの重要性に基づく備え行動、マニュアルの存在と整備等が抽出された。 2)結果の統合は、現在も進行しているところである。現在のところ「備え」要素としては、「計画」 「ネットワーク」「訓練/教育」「マンパワー確保」「ケア環境の整備」「評価と修正」「情報の集約・発信」「知識」を抽出しており、「備え」枠組み原案作成を継続しているところである。
|