研究課題/領域番号 |
20390547
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研究機関 | 佐久大学 |
研究代表者 |
小西 恵美子 佐久大学, 看護学部, 教授 (70011054)
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研究分担者 |
鈴木 真理子 佐久大学, 看護学部, 助教 (10281255)
吉岡 恵 佐久大学, 看護学部, 助手 (20520836)
田中 高政 佐久大学, 看護学部, 助教 (80398354)
中嶋 尚子 佐久大学, 看護学部, 助教 (40347373)
前田 樹海 東京有明医療大学, 看護学部, 教授 (80291574)
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キーワード | 看護倫理 / 看護学生 / 看護師 / よい仕事 / 道徳的感受性 / 職場環境 / 徳倫理 / 事例分析 |
研究概要 |
23年度は、(1)GoodWork Toolkitによる学生との対話、(2)その結果の国際比較、(3)臨床看護師との対話と事例分析、(4)看護部倫理委員会支援、および、(5)看護師への質問紙調査結果の分析と再調査を行った。(1)では、第7章「色々な考え方」と第8章「よい仕事再訪」について、学生とのフォーカスグループ対話とその内容分析を行い、これをもって全8章を終了した。(2)国際比較として、米国の看護学生についてのデータと比較した。米国学生は論旨が整い、一見「きれいごと」を言っている印象だったが、自分の理想を明確に表出していた。今後職業につく若者として理想を表現できることの重要性を改めて認識させられた。日本の学生は、「空気を読む」「自己満足」等の流行語を頻発し、自分の意見を述べようとしない傾向が強かった。そこには、周りを気にして自分は突出しないようにしようとの意識が見え、現代若者の内面に、日本古来の「同調」の価値観や、「出る杭は打たれる」等の規範が存在していた。これは、自分の意見はもたない、もてない、もたなくていい、という風潮を生んでいるのはないかと危惧された。彼らが看護職者となったとき、臨床状況に含まれる道徳的側面を感じるのだろうか。道徳的な悩み(moral distress)をもつのだろうか。また、その内容や程度は、従来の看護師がもつものと違うのだろうか。これらについて、就職後の学生の追跡調査が必要と考える。(3)臨床看護師との多数回の対話をとおし、倫理事例を収集し、またそれを事例分析に活用した。(4)看護部倫理委員会を支援・助言・指導した:委員会業務の整理、研究倫理審査の指導、事例分析による日常のケアの振り返り等。(5)本研究で開発した日本版道徳的感受性質問紙(J-MSQ)と職場環境質問紙(WEQ)による調査を行い、因子分析し、質問紙の妥当性を検討した。これに基づき、質問項目の日本語表現を修正して質問紙を改良し、少数の看護師を対象に再調査を行った。詳細は研究成果報告書に記載。
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