本研究の最大の目的は、全国の医療機関、保健所(保健センターを含む)を対象として、在日外国人に対する看護の現状を把握することである。具体的な調査は2年目の平成21年度に予定している。平成20年度は、調査を実施するにあたっての準備期間として位置づけている。 本研究に関する文献や資料の収集を行った。在日外国人に対する看護についての資料が少ないことから、心理学や社会学などの関連する学問領域についても資料を収集している。また、学術論文としての文献が少ないため、学会発表の会議録についても収集している。諸外国の状況に関する資料・図書は、主としてtranscultural nursingやcross-cultural nursingの領域からも収集し整理を行っている。加えて、日頃から外国人支援に直接関わっている関係者団体(アジア福祉教育財団難民事業本部、外国人が集まる教会など)、関連する研究者が集う学術集会(多文化間精神医学会、日本社会精神医学会など)、専門的に研究活動を行っている研究者(九州大学アジア総合政策センターなど)からも情報を提供してもらい、調査票作成に向けて、作業を進めている。当初の計画では、平成20年度に調査票を確定し、産業医科大学倫理審査委員会に倫理審査を申請する予定であったが、最終的な調査票の確定に時間を要しているため、まだ申請できていない。平成21年度のできるだけ早い段階で、倫理審査を申請し、その承認が得られ次第、全国調査を実施したいと考えている。
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